■プイィ・フュメ

プイィ・フュメの土壌は、テール・ブランシュ（キンメリジャンの粘土石灰質）、カイヨット（石灰岩の小石）、そしてシレックス（火打ち石）の3種類です。
特にシレックス土壌がワインにもたらす独特な香りやミネラル感がプイィ・フュメの個性であり、サンセールとの違いです。
最良の畑はプイィの街の北側にあり、丘の頂上にあるサンセールの街のちょうど対岸にあたります。この辺りのブドウから造られるワインはシレックス土壌に由来する性格を強く持ち、極辛口で長期熟成にも耐えうるワインとなります。
プイィ・フュメの畑の歴史は古く、紀元前のガロ・ローマ時代からあったと言われています。中世のベネディクト修道会に属するようになってからは白ワインの銘醸地として名声を博すようになりました。

グラスに注ぐと、黄金色の透明な中に、光の加減で虹が映り込む。グラスの中はチェリーの甘酸っぱい香り。どことなく、チョークの雰囲気も感じられる。口に含むと、硬質な辛口の後に、木苺やチェリーの甘酸っぱい味わい。酸味もほどほどにあり、一口一口がちょっと背伸びをした甘酸っぱさのかわいらしい印象を受ける。
新世界ワインのソービニヨンブランと比べるととても柔らかく、しっかりとした甘みの印象を感じられる。十分なミネラル感もあり、口当たりは軽くさわやかだが、飲んだ後のどっしりとした充実感が舌に残る。
とても品の高い印象だが、親しみやすい味わいで、テーブルワインのような感覚でも飲めてしまう。
辛口ながらもやや重みを感じるため、食前酒としても悪くはないが、出来れば食事に合わせて飲みたいワイン。魚介類やクリームチーズ系が相性がよさそう。白身魚のソテー、タコやイカのマリネ、サーモンのホイル焼き、豚しゃぶ、棒棒鶏、トマトとモッツァレラのカプレーゼなどと合わせて飲みたいワイン。
はじめ値段を知らずに飲んだ時は、３～５千円くらいのワインと思ったほどのワイン。実際は3000円以下のお値段なので、とてもコスパがいいワインだと思う。普段、新世界のソービニヨンブランを飲んでる人なら、是非一度飲んでほしい地域のワインといえば、フランス、ロワールのサンセールやプイィ・フュメ。実際に飲んでみて、新世界ソービニヨンブランとは大きく異なり、飲んでいてとても楽しい。