地中海に面するカンヌ市の沖合に浮かぶ離島サントノラ島に410年から続く修道院がアベイ・ド・レランスです。現在も労働を神にささげるという信仰と修業のため、ぶどうの栽培からワイン造りまでを手作業で続けています。
過去、カンヌ映画祭の晩餐会で使用され、ローマ法王に献上されるなど、現地フランスでも一般的には流通しないと言われていましたが、カンヌ市と当社の本店がある静岡市が姉妹都市であることから、1995年、ヴィノスやまざきにより初めてカンヌの島を出て日本へ輸入された聖なるワインです。
南フランスの特有品種であるシラーを木樽で熟成させ、フランボワーズやブラックベリーなどの果実や、シラー独特のコショウの香りが感じられます。濃厚でしっかりとしたタンニン（渋味）があり、余韻がいつまでも続くかのような上品な味わい。

グラスに注ぐと、つやのある赤紫の美し色合い。ブラックベリーのみずみずしくふっくらとした甘い香りと胡椒のスパイシーな香りがいっぱいに広がり、ずっと残り続ける。強く太い香り。口に含むと胡椒のスパイシーな印象の後、すっきりとしたチェリーの甘み。そして、しっかりとした酸味を感じた後、後味は、樹皮の渋みを感じながら、酸味とスパイシーさの余韻がしっかり残る、濃厚なのにすっきりとしたスパイシーで甘い味わい。
十分なスパイシーさを感じるのに、辛すぎることはなく、甘く優しく丸く整っているイメージも感じる。
上品なイメージも持ちつつ、同時に庶民的な優しさを感じるワイン。すっきりとした酸味が、フルボディながらどんな料理にもしっかり合わせられる。
重く濃厚な肉よりは、ハンバーグやローストビーフ、ミートソースのパスタ、フォアグラ、ジャンボマッシュルームステーキ、焼いたベーコン、肉まん、ピザトーストなどに相性がいい。
お値段は単品だと税込み7500円くらい。何も値段を知らずに飲んだ時は、8000円～1万くらいのワインかなと思えるレベル。コスパ的に満足度は高い。香りも味わいもどちらも素晴らしいが、「修道士のワイン」というストーリーを想像しながら味わうのも、とても楽しめるおすすめワイン。