マルセル・ダッソーにより購入されたCHクーペリーは、1955年にCHダッソーに変わりました。ダッソー家は畑や醸造設備に膨大な投資を行い、品質は向上し、1969年にはサン・テミリオン・グラン・クリュ・クラッセの格付けに加えられています。
その後、彼の末息子であるローランが、1995年より指揮を執りワイナリーの運営を行っています。畑は石灰質の丘の裾野と砂質の平地に位置。熟成は樽とタンクに適宜入れ替え16~24ヶ月。赤系、黒系果実の果実味が凝縮された滑らかな口当たりです。

濃密な梅/紫、甘いブルーベリー、プラム、ブラックカラントフルーツで、ワインは口蓋に広く、フルボディのスワッシュをカットします。それは絹のようなタンニンを持っており、前方、魅惑的で豪華です。これは美しさと本当の群衆の喜びです。‎

ダッソーは、サン･テミリオンで最も美しいシャトーの1つで、特にその敷地は印象的である。ここは一貫して、若いうちに飲むことを前提とした、滑らかな舌触りの、果実味のある、しなやかな、単刀直入なワインを造っている。非常に清潔に造られており、いささか商業主義的な傾向があると言えるだろうが、その魅力的で、複雑ではないスタイルは否定するには当たらない。ここで注意すべきなのは、熟成しても良くなることはめったにないと言う点である。比較的若いうちに飲むつもりでいる限り、ダッソーにガッカリさせられることはないだろう。レストラン向けとして完璧なサン･テミリオンではないだろうか。

１９９０年代の初めから半ばにかけて、ダッソーの多くにカビ臭があり、明らかに何らかの問題があった。しかし、最近のヴィンテージによって証明されるように、この問題は完全に解決された。

コルクを開ける前にキャップを外しただけで、カシスの香りが広がる。コルクを開けただけで、グラスに注ぐと、透明度の低い深みのある紫色。グラスには柔らいカシスの甘い香りとスパイシーな黒コショウの香りが強く感じられる。
口に含むと、強い酸味の後、なめし皮やタバコのしっかりとした渋みが口いっぱいに広がる。甘みはかなり弱く、胡椒のスパイシーさと、なめし皮の渋みで満たされている。酸味の中にかすかに赤い果実を凝縮した甘みを感じることができる。
渋みが凝縮された力強い飲みごたえ。後味の余韻も、渋みというより、樽を焦がした苦味のような味わいが残るが、それがまた心地よい。
これほどまでに渋みで満たされたテイストなのに、とても飲みやすい。複雑なテイストが絡み合い、奥深く、満足感の高い味わいになっている。
とてもビターで、とても果実味にあふれ、渋みが濃縮され、個性豊かで複雑味がある上品な逸品。
料理に合わせるとしたら、サーロインステーキや、フォアグラなど、味付けの濃い上品な肉料理に合わせて飲みたい。ワインの主張が高く、しっかりした味付けの料理でも、ワインが主役で楽しめる。逆に、おとなしい料理でこのワインを試すのはちょっともったいない。
お値段は、税込み6千円ちょっと。個性的な上品な味わいでこの値段はかなりお手頃価格だと思う。料理をかなり選ぶワインなので、使いどころを選びたい。
さて、ダッソーはカビ臭で過去問題あったというが、今回飲んだのは確かにコルクにはカビはあったが味に関しては全然気にならなかった。でも、ちょっと飲みすぎたらおなかが緩くなるので注意。まぁ、実際ちょっと緩くなったから…。たしなむ程度に飲む分には全く問題ないから大丈夫。