美しく輝く紫を帯びた深いチェリーレッド。ミネラルを伴う赤い果実の香りと、スパイスや甘草を想わせるアロマ。ほのかにスモーキーさを感じる。口当たりが良く、よく融和したタンニン、フレッシュな酸、そして素晴らしい果実味が口中に広がります。

格付け DOP アルマンサ
葡萄品種 ガルナッチャ・ティントレラ 100%
ヴィンテージ 2015
アルコール度数 13.50%
熟成詳細 ステンレス＆500Lのフレンチオーク樽で10ヶ月

深く濃いレッド。マンゴーのような甘い香りのなかに、シナモンのスパイシーな刺激的な香りもする。しっとりとしつつ柔らかな香り。これは期待できると思って、口に含むと、強い酸が広がる。香りからは想像できない強い酸味に、一瞬これはハズレかなという不安がよぎるが、まろやかな渋みと、ブラックベリーの甘味がとてもいいバランスで混ざり合って、深い満足感が得られる。酸味が最後までしっかり残り、それでいて、まろやかな渋みの余韻が残る。
強い酸味の印象がかなり大きいが、そこに見え隠れする渋みや甘さはしっかり丁寧に味を調えているワイン。ただ、やっぱりどうしても酸味が強いのが気になる。人を選ぶかもしれないワイン。
酸味が強いのに、全体的にまろやかに整っているので、全く嫌味はなく、「ちょっと酸っぱいな、でも、なんかもう一口いきたいな」という、魅惑を持っている。
さて、このワインは、ガルナッチャ・ティントレラ100％ワインだが、某販売店で、ガルナッチャという表記で売られていた。ガルナッチャ（ガルナッチャ・ティントレラ）は、グルナッシュのスペインでのシノニムで、ガルナッチャ・ティントレラと異なる品種。
ガルナッチャ・ティントレラは、プティ・ブーシェとグルナッシュによる交配で生まれた品種「アリカンテ・ブーシェ」のシノニム。こんなうんちくを知っているとまた一味違った飲み方ができるかもしれない。
飲むときにガルナッチャの気分で飲んだので、確かに香りの印象は似ているが、味わいの印象がまったく違ったので、改めて品種を見直してみた。ガルナッチャとはまた違った、独特な酸味はとても面白い。
まろやかな渋みと、しっかりさわやかな酸味が、肉系の料理に相性がいい。どちらかというと、庶民的というか、肉汁を感じられるものに対して相性がいいので、ハンバーグや、ミートボール、ミートスパゲティ、肉まんなんかに合わせてみたい。非常に個人的な第一印象だけど「蓬莱野豚まんくいてーな」という印象を持ったワイン。餃子や焼売にも合いそう。
どちらかというと、カジュアルに料理に合わせて飲むと映えるワイン。単独で飲むには、すこし酸っぱい。料理に合わせたら、食欲もそそるし、抜群に楽しめる。そんな庶民ワイン。3500円で庶民ワインは高いかなぁ…