ナントの南15km、ロワール川の南側、大西洋の近くにあるロワール渓谷にあるこの家族経営の蔵は1948年にギュスターヴ・ヴィネさんによって造られ、今日ではダニエルとジェラールの2人の息子たちにその情熱が引き継がれています。28haのぶどう畑には、ミュスカデ種のみが植わっており、小規模に手造りワインを造ってます。彼らのミュスカデ造りは極力自然な方法での完熟ぶどうを収穫するということと、「シュール・リー（オリと一緒に熟成させる）」で6ヶ月熟成させ、上質な酸味がありながら旨みののったワインを造ることのみに注力しています。「さっぱり辛口白」の代表として知られる「ミュスカデ」ですが、濃厚なワインに高得点をつけるロバート・パーカー氏が同名ワインでは異例の89点（2003ヴィンテージ）、米ワインスペクテイター誌でも88点（2005ヴィンテージ）をつけBEST　BUY（＝買うべきワイン）に選ばれています。

透明な美しい黄金色、青リンゴの香りがとてもさわやか。口に含むと、青リンゴの爽やかな酸味と、洋ナシの甘さ、しっかりとした辛口の味わいが広がり、そして、後味はすっきりとさわやかな余韻を残しながら引いていく。満足度の高い辛口ワイン。これが2000円以下で買えるとか、感動レベルの辛口白ワイン。
しっかりとした酸味をもちつつも、全くトゲがなく、ストレートにスッキリ感を感じられる。2000円白ワインにありがちな、ただ辛いだけ、とがっただけというような、雑さが一切なく、かといて、中途半端に柔らかさを持つことなく、しっかりと辛口で攻めつつ、辛口のまますっきり受け入れられる、さわやか青リンゴワイン。
このグッとくる辛さを持ちつつ、雑味のない爽やかさが、魚料理、刺身などにしっかりとよく合う。真蛸の刺身、白身魚の刺身、ほかには、天ぷらなど、和食に合わせたい白ワイン。タコのカルパッチョとか、とにかくタコにすごくよく合う。
お店で買う時に、このワインは、2016年産と2018年産と2つあって、どっちも同じ値段だったらので、迷わず2016年産をチョイスしたよ。残りあと2，3本らしくて、実にいい買い物ができたワイン。
ミュスカデ100％。ミュスカデは、ムロン・ド・ブルゴーニュのシノニム。「ムロン」とは、フランス語でメロンのこと。マスクメロンに似た甘い香りの白ブドウ品種。ロワール地方の比較的安価なブドウだが、十分な酸味と、甘い香りはすばらしい。ワインも比較的安価だが、味わいは4000～5000円ワインに匹敵すると個人的には思っている。
それほど高級感は感じられないが、酸味と甘みがとても効いて個性的であり、それでいて雑味がない、後味もさわやかで、ちょっとしたイイ料理に合わせても負けないポテンシャル。そして、税抜き1680円。コスパかなりいい。
何も知らずに飲んだら、十分高級ワインと勘違いするレベルのお値打ち白ワイン。是非和食と合わせて飲んでほしい一品。