1995年、ワインの直輸入を始めて1年たった頃。ボルドーワインを仲介会社のネゴシアンを通さず輸入できないかと考えていた時、地元で密かに話題のシャトーがフロンサック地区にあると聞きつけ、早速訪問しました。
当時の当主のエルヴェさんに話を聞くと、フロンサックという土地のワインの品質を向上させる為、自分のシャトーだけでなく地域の蔵元の畑のケアにも取り組んでいるとのこと。ワインを試飲した後に通された奥のワインカーヴには、何と10年前の素晴らしい年号のワインが熟成されていました。
「ネゴシアンに売らないで取っておいたんだ・・・あなたたちのような人が来るのを待っていたんだよ。」と、にこりと笑った顔がとても素敵でした。

『蔵の祭典』で知り合った他の地域の生産者に、自分の親友であった格付け一級シャトーも手掛けたことがあるワイン醸造コンサルタントを紹介してくれたり、親身になってくださるエルヴェさんとその息子トーマ。お客様の望むワインを造ってくれる、これこそ真のグランヴァンだと思うシャトーです。

オーナーのエルヴェさんの名前を冠して造られる、蔵元のセカンドワイン的な一本ですが、その造りはほぼトップワインと変わりません。2015年は、フレンチオークで17カ月の長期熟成を施した、しっかりしたタンニンとほど良い酸味のバランスが抜群。ダークチェリーやプラムの香りが広がり、力強い果実味と心地良い樽の香りが絶妙。複雑で長い余韻を楽しめます。

カシスの柔らかい香り。口に含むとややとろみを感じるような、柔らかい酸味と、カシスの甘みを感じる。そして、渋みもやわらかく後に残る、フルボディでありながら全体的にやさしいワイン。
酸味も渋みも個性的な主張を感じ、十分な存在感と満足感があるが、どこか控えめで、丸くまとまっている。
とろみを感じ、柔らかな酸味と、しっかりした甘みは、ボリュームのある肉料理で合わせて楽しみたい。サーロインステーキや、フォアグラ、ローストビーフなど、できれば上品な料理で、品よくいただきたいワイン。
カシスの香りが素晴らしい。香りに酔いしれるワイン。味わいは、素晴らしいと思うけど値段相応。4000円未満ワインとしてはかなり優秀だけど、もう一歩というイメージ。
これといった欠点はなく、個性もあり、満足度の高いワインで、3000～5000相当のレベルのワイン。★４つけるか悩むところだけど、ぎりぎり★３。値段相応かちょっとコスパいいかなと思えるくらいのワイン。満足度は高い。
安物ワインと高級ワインの中間よりやや高級な部類に入る感じ。丁寧な味わいで個性的で全体的にまろやかで満足感は高いが、贅沢な望みかもしれないが、深みが足りない。
品のいい高級感が感じられるワインなので、ちょっとした記念日などで楽しめる、上品なワイン。