生産者は1925年創業の家族経営の造り手であるパスクア社。プライベートカンパニーとしての生産量はイタリアでも有数で、名実ともにヴェローナを代表する生産者。
取扱製品は、テーブルワインからDOCGまで幅広くカバーし、多くのワインが国際的な賞を受賞するなど、非常に高い評価を得ている。日本でも毎年イタリアワイン銘柄別ランキングにて上位に挙がるブランド。
「パスクア キャンティ 赤」は葡萄が最も良い状態に熟した時点で収穫し、徹底した温度管理のもと、伝統的な醸造方法にて発酵が行われる。熟成はステンレスタンク。
色はふちがやや紫がかった輝きのあるルビー色。チェリーやカシスの風味、スミレのニュアンスも感じられる。
キャンティらしいフレッシュな口あたりと、ソフトなタンニン、凝縮した果実味も感じられるバランスの良いワイン。

注いだ瞬間にグラスからあふれる甘い香り。透き通ったルビー色。とてもカジュアルなイメージがいっぱいのライトな赤ワイン。
酸味の中に柔らかい口当たりで、すっきりとした甘さとみずみずしさが食欲をそそる。ジュースのような感覚だが、決して安っぽいわけではなく、さっぱりとしていても、しっかりとした存在感で、安ワインにありがちな葡萄ジュース感は全く感じない。
飲みやすさは抜群で、甘いお酒が好きな方なら是非お勧めしたいワイン。口当たり、酸味、ライトな甘さ、それぞれがバランスよく、食欲をそそるので、料理に合わせてぐいぐい飲みたい。このワインは、ハンバーガーやピザなどに合うといわれるが、まさにそういったライトな料理にこそぴったりなワイン。上品な料理や重い肉料理も悪くはないが、味も香りもすっきりした庶民的な楽しさを味わえるワインなので、気楽な料理で楽しみたいワイン。
素晴らしいワインだと思うが、しいてマイナス点をいえば、印象は素晴らしいが、やや単調なところもあり、ぐいぐい飲める割には、後半は慣れてしまうというか、若干の飽きを感じてしまうかもしれない。グラス3杯程度なら全く問題ないので、よほど飲まない限りは、全然気にしないレベル。アルコール度も12％とやや低めなので、普通のワインに比べたらちょっとグラスが進むかもしれない。飲みやすいし、パン系の料理に合わせるとなおさらワインが進む。気が付くと１本空けちゃったりする。
イタリアワインらしい明るくさわやかで庶民的なかわいらしいワインだと思う。値段も1000円とちょっと良い感じのテーブルワイン価格。この価格帯でライトボディの赤を選ぶなら、これで間違いない。家族だったり仲のいい友達だったり、気づかいせず、楽しく明るく食事を楽しむのにはもってこい。ありがちなワインのめんどくささや、複雑さ、気難しさなんてほとんど感じない。甘く爽やかでいて、十分ワインしてる、いっさいのめんどくささが無い、超リラックスワイン。
こんな長い解説とか抜きにして、「甘い香りですっきり飲みやすーい」くらいの感覚で楽しんで飲めばいいよ。ほんと。